2014年3月4日火曜日

アメリカの製造業はオワコンという思い込み

グーグルでアメリカの製造業について検索していたら、内田樹という学者のブログにこう書かれていた。

グローバリストを信じるな
http://blog.tatsuru.com/2011/10/25_1624.php
アメリカの貿易について考える場合に、私たちがまず前提として理解すべきことは、「アメリカには、日本に売る工業製品がない」ということである。
アメリカの製造業は壊滅してしまったからである。
「ものつくり」という点について言えば、もうアメリカには世界のどんな国に対しても国際競争力のある「もの」を輸出する力がない。
自動車も家電も衣料品も、なにもない。
一応作ってはいるけれど、クオリティについての信頼性が低く、割高なので、買い手がつかないのである。
日本人の中には、内田と同じように「アメリカは製造業が壊滅してITと金融しか残っていない」と信じている人間が多いようだが、それはものづくり以外に何の取り柄もないジャパニーズの願望にすぎない。

アメリカの製造業売上高は中国に次ぐ世界第2位で、3位の日本に倍の差をつけている。さらに製造業の成長率はGDP成長率を上回っており、経済を牽引する存在である。アメリカの製造業は現在でも成長・拡大を続け、国内経済を支える重要産業のひとつなのだ。

ちなみに、白物家電のマーケット・シェア世界1位はワールプール・コーポレーションというアメリカ企業で、ハイアールに買収された旧・三洋電機の家電部門(現・合肥三洋)は同社の傘下に入っている。

2014年3月2日日曜日

厚労官僚「リベサヨはわしが育てた」

厚生労働省の現役官僚hamachanこと濱口桂一郎のブログにこんな記事があった。

リベサヨのちょうど正反対
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-31a0.html

このエントリーを読むと、欧米にリベラル・サヨクは存在しないように思えるが、本当だろうか。

アメリカ共和党の重鎮ジョン・マケインに関する記事:
McCain: Newsweek's 'liberal left-wing trash'
http://www.politico.com/blogs/media/2012/07/mccain-newsweeks-liberal-leftwing-trash-130473.html

欧米でもリベラルと左翼の親和性は高く、リベラル・サヨク(リベサヨ)という言葉は保守系政治家のアジテートとして使われているようである。

谷本真由美(May_Roma)の家人について

Twitterで5万人以上のフォロワーを集める谷本真由美(May_Roma)だが、 彼女の主催する英語添削塾のブログに家人の略歴が載っている。
http://eigotoranoana.blog57.fc2.com/blog-entry-14.html
Paul Robson(ポール・ロブソン)教授
ケンブリッジ大学博士号(経済学)エジンバラ大学博士号(経済学)
現在ロンドンの大学にて起業論、経営戦略などを研究。修士号、博士号学生の指導に当たる
Paul Robsonで検索すると、以下のページがヒットし、プロフィールも一致することから、彼女が自身の夫(家人)と主張する人物は実在するようである。
http://pure.rhul.ac.uk/portal/en/persons/paul-robson%284f91ab2e-42fb-412a-9206-759dfd344d5b%29.html

QS世界大学ランキングによると、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校はイギリス国内で37位、世界で265位となっている。また、同校はイギリスの名門大学組織「ラッセル・グループ」に未加盟であり、一口にロンドン大学といっても、各校によってレベルの差が激しく、ピンキリのようだ。

年寄りほど反中という現実


内閣府の『外交に関する世論調査』によると、中国に対して「親しみを感じない」と答えた人の割合は20代が39.3%で最も低く、70代以上が最大の58.0%となっており、世代が上がるごとに中国への反発心が高いことが伺える。

戦争体験や戦後民主主義教育を受けた高齢世代はリベラル、ネットの右翼思想に影響された若者が反中国に傾いているという通説は全くの見当違いである。

2014年2月19日水曜日

谷本真由美(May_Roma)の学歴は本物か

May_Romaこと谷本真由美は、海外留学経験・元国連職員という日本人の欧米コンプを刺激する経歴を武器にネット言論界で急速に勢力を拡大しているが、彼女がKDDI総研に寄稿したレポートのプロフィール欄にこういう記載がある。
行政学では全米1位ランキングであるシラキュース大学Maxwell School of Citizenship and Public Affairsにて国際関係論修士取得。
USNewsの大学ランキングによると、シラキュース大学マクスウェル行政大学院はハーバード大学ケネディ行政大学院を抑えて1位となっている。彼女の申告どおり、国際的評価は極めて高いようである。

ただ、シラキュース大学の格式はそれほど高くはない。シラキュースの世界ランクはTHEで圏外QSでは600位台であり、英語圏のアドバンテージを考慮すると、大学全体のレベルは日本の中堅私大程度だろう。欧米の大学は学部ごとに難度が大きく異なるケースが多いので注意が必要だ。もし身近に海外の聞いたこともない大学の学位を自慢する人間がいたら、そいつは典型的な山師なので相手にしてはいけない。

若者は右傾化しているのか

ネット論壇では、事前の予想に反して田母神俊雄が60万もの票を獲得したことや若年層は田母神支持者が多いという情報が流れたことで「若者の右傾化」論が再燃しているが、これは本当だろうか。

20代限定で選挙を行えば田母神は圧勝するか 


見てのとおり、20代の得票数トップは舛添要一であり、田母神は宇都宮健児と拮抗しているため、若者に限定しても田母神当選は起こりえない。

このグラフを見て目に留まるのが、細川護熙に対する世代間の乖離だ。細川の得票率は40代以上では2-3位だが、20代では宇都宮と田母神を大きく下回っている。

なぜ細川は20代の支持を集められなかったのか。
細川はかつて総理大臣を務め、その華麗なる血筋と端正な顔立ちから大衆の人気を博していたが、それは20年も昔の話であり、平成生まれを中心とする若年層への求心力はほぼ皆無と言っていい。細川を強力に支援した小泉純一郎には知名度はあるが、現在の若者は「小泉フィーバー」に熱狂する大人を冷ややかな目で見ていた世代であり、小泉政権の経済政策によって人生設計を破壊されたという被害者意識が強く、最も小泉に反感を抱く世代である。細川が中高年以上の世代から支持され、若い世代に関心を持たれなかったのは当然なのだ。

田母神支持者は右傾化した若者か


上記の調査によれば、田母神票の70%弱は40代以上で占められており、20代の割合はわずか10%にすぎず、田母神の台頭に若年層の影響があるとは言いがたい。田母神の得票に最も関与したのが40代であることを考えると、中高年の右傾化が心配される。

このように、田母神が若者の圧倒的な支持を背景に60万票を獲得したかのような一部マスコミの報道やネットの流言は事実無根であり、「若者の右傾化」とは、若者は常に愚かであってほしいと願う老人の生み出した虚構なのである。

谷本真由美(May_Roma)とは何者か

最近ネットで存在感を増している谷本真由美(May_Roma)の経歴を調べてみた。

http://www.yatedo.com/p/Mayumi+Tanimoto/normal/b71db3c2c44f7c6baca59fb2b5d850f6

1991-94
法政大学女子高校

1994-98
法政大学法学部

アメリカのベイラー大学へ短期留学(1996)

1998-00
シラキュース大学マクスウェル行政大学院(国際関係論修士を取得)

Samuel International Associates インターシップ(1999)

2000
シラキュース大学大学院(情報管理学修士を取得)

Japan.Internet.Com インターシップ(2000)

2001
ソフトバンクメディアアンドマーケティング ビジネスプランナー

2001-03
NTTデータ経営研究所 ビジネスコンサルタント

2003-07
国連食糧農業機関(FAO) コミュニケーションオフィサー

2007-08
AXA Technology Services Japan サービスレベルマネージャー

2008-2010
自営業

2010-
三菱東京UFJ銀行ロンドン支店 品質管理部